私が16だった時

日本に帰りたくなるのは故郷の桃が恋しくなった時と、玉子とろろかけご飯が猛烈に食べたくなった時。
でもこの間トルコ産の桃で物凄く美味しいのをボスに貰い、今日は特別に安全玉子（生でも食えるやつ）ととろろで賄い飯を頂き、だいぶ欲求が満たされました。

バイト先に日本大好きな女の子（オランダ人・14歳）が来ました。
遠路遥々、Den Boschからお母さんと来てくれたそうです。
インターネットで覚えたと言う日本語が使いたくてたまらないらしく、最初から最後まで物凄い勢いで喋っていかれました。

何でも、明日にでも日本に行って、つんくさんに会ってモーニング娘に入りたいらしい。
モー娘知ってる？と訊くのでそりゃあまあと答えたら、振り付きで歌いだしました。
しかもお母さんも一緒に。娘が家で歌いまくってるせいで覚えてるらしい。
困った事に生日本人に大興奮した娘さんはモー娘がいかに素晴らしいか熱く語り（そして歌い）続け、他の客に対応させてくれません。
うちの店、ホール一人なんですが…。

「日本行きたい日本行きたい日本行きたい日本行きたいモー娘入るモー娘入るモー娘入るモー娘入る！」と騒ぐ娘さんに、「じゃあ、あと3年間で日本語の読み書き勉強して、歌とダンスをプロレベルになれるよう人の十倍努力して、18歳になったらライデン大学行って国費留学しなさい！芸能界に入りたい子は日本だけで1万人はいるし、あなたはまだ若いんだから勉強しなきゃいけないの！」と言ったら、お母さんに「よく言ってくれたわー!」と泣かれました。

夢も才能も大きいお子さんはそれだけで大変ですよね。ネット学習であれだけ流暢に日本語喋れるんだから君の潜在能力はバッチリ有るんだよ。時を待ってくれ。

その子がモーーーーーむすーーーーーーーーーーーーーー！と叫びながら帰ってくれた後、えらく疲れました。
昼間はアントワープまで行ってたしな…、あの街もいつも疲れる…。

「あなたが16歳だった時、モー娘に入りたかった？」
と訊かれましたが、正直その頃から別にどうでも良かったよ。
むしろPUFFYとかSPEEDの方が衝撃的だった。歌も覚えてる。
別に入りたくは無かったが。

芸能界を夢見たのは幼稚園の頃。カトちゃんケンちゃんに超憧れてて、志村けんの弟子か嫁に本気でなりたかったっけ。

リアル中高生の時はTWO-MIXとCoccoと中島みゆきと封神演技とBASARA（田村由美の漫画）に狂ってた。青い春でした。
あ、そういや声優にはなりたかったかもしれん。だってハリウッド映画に吹替えで参加できるし。

今は歌って踊れる変形ロボット戦士に憧れてます。
黄色いカマロの嫁になりたい。

ちなみにその子が今すぐ日本に行きたいのは、制服が着たいんだって。
いつか彼女が憧れの日本の女子高生になれる事を祈ります。